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011.Terry Washizu (mu-seum) 2006.07.19. |
時空を越えて:あるレコードにまつわる超偶然なストーリー 前回は“オタク”と思われてしまう危険性をはらむ多少コアなものを書いてしまった自戒を含め、今回は爽やかに (?)、あるレコードを巡り日本とイギリスにまたがって起こったある出来事について書いてみようと思います。 あれは確か今から8〜9年ほど前の事だったかと。当時はまだ今ほど多忙にしていなかった 僕は、年に数回に亘り個人的に海外へレコードを買いに行ってました。年に2回はアメリカはデトロイト、そしてロンドンへも2回、そしてハワイへは下手したらなんとほぼ毎月のように。ちょっとハワイの話をすると、当時ホノルルには「J」というレコード屋と本屋との複合ショップがあったのですが、そこには珍しいプロモ盤なんかもバンバン入荷していたんですね。そしてそこの店員Billyとはとても仲良しになり、翌月に僕が店にまたふらっと訪れるまで、彼はその間に入荷したプロモ盤とか珍しいレコードを全く店頭に出さずに全て取っておいてくれるんですよ。で、「ハロー、久しぶり〜」てな感じで僕がふらっと店に行くと、彼は奥から1ヶ月間溜めてあったレコードをドンっ!と出してくれるんです。僕はその中から欲しいものを選ぶだけ。「これはいらない」って返したものにBillyはそこで初めて値札シールを付けて店頭に並べるんですね。そして僕が必要なものは、例えば80枚ぐらいあったとしたら、「う〜ん、じゃあ50ドル貰ってもいい?」てな感じ(笑)。で、僕は毎回ハワイは1泊ずつ、水着なんて持って行ったことも無かったですね(笑)。 おっと、危ない! また前回と同じ過ちを犯しかけるところでしたが、気を取り直して今回はここからが本題です。 ロンドンに行くのはいつも1週間ずつだったんですが、向こうにいる間は毎日朝10時のレコード屋の開店から夜8時の閉店まで、途中で全く食事も摂らず、携帯するミネラル・ウォーターを飲むばかり、とにかくずっとレコードを探すだけ。 山下達郎氏よろしくスベリ止め付きの軍手をはめ (大抵2日間で指先が破れてしまうので、シッカリとスペアを持って)、決して観光客が行かないようなコアなショップまでこまめに回っていました。そうすると日本から買い付けに来ているレコード屋の人なんかとも、ホントによく出会うんですね。で、今回の主役は大阪の人気レコード・ショップ「B」の店員さんであり、当時はロンドン在住スタッフとしてレコード買い付けをしていたS氏です。 S氏を初めて見かけたのは、あれはどこのレコード屋だったか、確かイズリントンとかその辺だったかと思うんだけど、まああまり観光客とかが行くような店ではなかったです。その時にはお互いに「あっ、日本人だな〜」ぐらいで、別に言葉も交わさなかったんだよね。そして同日その数時間後に、今度はロンドンの南の方にある某店 (ここは絶対に観光客は行かない、というかきっとまず知らない。 レコードに値札も付いていなくて怖いし) で再度出会ったんですよ、S氏に。 そしたら彼の方から「どこの店の方ですか?」と声をかけて来て。そりゃ、軍手なんかしてレコード探しをしていて、更にそんなコアな店で見かけたら、まずは“レコード屋の人間が日本から買い付けに来ている”と思うよな〜 (笑)。「いやいや、僕は個人で来てるんですよ〜」なんて返して、その後会話を幾つか交わしたりして。で、そこの店はターンテーブルが置いてあって、自分で勝手に試聴が出来るんだけど、僕が気になったあるレコードを聴いていたら、「それって何のヴァージョンですか?」とS氏。その時僕が聴いていたのは、Janet Jackson「Letユs Wait Awhile」のBen Liebrandによるグランドビート風リミックス。 それは実はDMC (Disco Mix Club)のプロモonlyのレコードでした (May 87 Mixes 1)。「へえ~っ、こんなのあったんですね~」なんて事を話しながら、その後すぐにS氏とは別れました。 そして思わず驚いてしまった後日談は、確かその2年後とかそれ以上後の事だったかな〜。たまたま仕事で大阪に訪れた僕は、僅かのフリータイムを見付けて「B」に行ってみました。「おお〜っ、東京じゃ見付からないものが結構あるよな〜」なんて喜びながらレコードを見ていたら、何やら店員さんと常連客の会話が耳に入って来た。 「(店員さん) ジャネットのLetユs Wait Awhileのグランドビートのヴァージョンがあって、ロンドンで前に見かけたんよ。誰か買っちゃったんやけど〜 (以上大阪弁)」 「(常連客) エッ、マジ!? どんなヴァージョンっすか、それ? 聴きたいな〜」 「ん?」と思ってふと見ると、少し風貌が変わっていたものの、そこに居た店員さんはなんとあのS氏じゃないですか!? で、勇気を出して僕。 「(僕) あの~、それって...」 「(店員さんS氏) あ〜〜〜〜っ、この人や、今話していたの!!!」 ロンドンと大阪、そして数年間の時空を越えての全くの偶然の瞬間でした。 S氏には今でも仲良くしてもらっています。 今回の話はなかなか普通だったでしょ?(笑) |
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